床下の基礎補強が必要な3つの理由
床下の基礎補強で地震から自宅を守る
ご存知のとおり、世界的に見ても、日本は地震が非常に多い国です。全世界の地震のうち、実に20%が日本で起こっているとも言われます。
1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など、最大震度7の巨大地震がしばしば起こります。また、首都直下型地震や南海トラフを震源とする地震も、近い将来起こる可能性が高いとされています。
そして、床下の基礎には外から加わった力を受け止め、地盤に逃がす役割を担っています。
床下の基礎補強は耐震補強とは厳密には異なるものですが、基礎にひび割れが入っている家が地震に見舞われれば、当然、倒壊する危険性は高まります。
家が倒壊すれば、そこに住む人の命も危険にさらされます。地震から大切な命を守るためにも、基礎補強の工事はとても重要となるのです。
床下の基礎補強で台風から自宅を守る
毎年、夏から秋にかけて多くの台風が日本列島に襲来します。
1981年から2010年の平均値では、年に11.4個の台風が日本に接近、うち2.7個が上陸しているとのこと。
さらに、近年は地球温暖化などの影響により台風被害も増加傾向にあり、2018年の台風21号は非常に強い勢力で上陸し、近畿地方や東海地方を中心に甚大な被害を及ぼしました。
もちろん台風は家の基礎にも大きなダメージを及ぼします。台風の大雨による床下・床上浸水により、基礎が腐食する可能性があります。
そういった基礎を放置することは、家屋の倒壊につながる恐れがあり、非常に危険です。
床下の基礎補強で経年劣化から自宅を守る
家の基礎は時間を経るごとに劣化していってしまいます。
どれだけ完璧に施工されても、湿気などによるダメージが蓄積し、およそ築10年から20年で基礎補強工事が必要になると言われています。経年劣化した基礎を放置すると、シロアリの発生を招き、家全体が食べ尽くされかねません。
特に建築基準法が大きく改正された1981年以前に建てられた家については、基礎コンクリートに鉄筋を入れることが義務付けられていなかったので、基礎の強度自体に問題があります。
一刻も早い基礎補強が必要です。
床下の基礎補強工事の種類について
災害などから大切な家を守るために、基礎補強が必要なことは分かったかと思います。
では、基礎補強にはどのような種類があるのか。
それぞれのメリットやデメリットについて説明していきます。
床下基礎の打ち直し工事
基礎打ち直し工事とは、床下基礎のコンクリートを総入れ替えしてしまう工事のことです。
メリットとしては入れ替えることで、基礎が新品同様に甦ることが挙げられます。
また、建物をジャッキで持ち上げて施工するので、家に住み続けたまま工事してもらうことができます。
床下基礎の増し打ち工事
基礎増し打ち工事とは、コンクリートに鉄筋を入れたり、コンクリート自体を修繕したりする工事のことです。
建物の外側や内側に鉄筋入りのコンクリートを増し打ちすることで、建物との一体性を高め、地震の際の耐震性能を高めることができます。
先述のとおり、建築基準法が大幅に改正された1981年以前に建てられた家は、基礎コンクリートに鉄筋を入れることが義務付けられていませんでした。増し打ち工事はそういったお宅に向けての工事と言えるでしょう。
メリットとしては、鉄筋を入れることで、基礎の強度自体は向上します。ただし、修繕してもコンクリート自体の強度が増すわけではないので、コンクリートの劣化は止まることがありません。
床下基礎のクラック補修
コンクリートに入ったひび割れ(クラック)に、専用の液剤を入れて埋める施工です。
注入した液剤は時間が経つと硬化し、基礎と一体化するため、クラックはなくなります。
増し打ちと同じく、コンクリート自体の強度は変わらないので、特に築年数の経過したお宅などでは不十分な場合もあります。
床下基礎のアストロハイブリット工法
コンクリートの修繕とコンクリートの補強を同時におこなうことが出来るのが、アストロハイブリット工法です。
アラミド繊維シートとエポキシ樹脂を組み合わせて基礎を補強します。
ちなみに同じ工法はトンネルや橋げたなどの公共工事のほか、宇宙船や防弾チョッキなどの製造にも用いられています。
床下の基礎補強工事は早めの対応が重要
地震や台風など、床下の基礎はさまざまな要因によって、劣化してしまいます。たとえそれらの災害に遭っていない場合でも、時間が経てば家の基礎は劣化するのです。
コンクリートは水分を吸収する性質があるので、湿気によって劣化が進んでしまいます。
きちんとした対策を取っておかないと、床下の基礎は劣化していく一方です。
たとえ目に見えるトラブルが現れていなかったとしても、早めに基礎の補強を検討してみてはいかがでしょうか?