基礎コンクリートの打設不良によって発生するジャンカ(豆板)ですが、建築に携わっていない方にはあまり聞き馴染みのない言葉かもしれません。
コンクリートは打設時の撹拌不足などによって、表面に砂利や砂などの骨材がでこぼこと見られることがあり、これを「ジャンカ(豆板)」と呼んでいます。
コンクリートの撹拌不足を一律ジャンカ(豆板)と呼んでいますが、ジャンカの中でもレベルがありコンクリートの強度や補修方法が異なってきます。
この記事では、ジャンカの詳細な発生原因やレベルについてと、その補修方法や補修材についても紹介していますので、参考にしてみてください。
基礎コンクリートのジャンカ(豆板)とは?
基礎コンクリートのジャンカとはその見た目から「豆板(まめいた)」とも呼ばれ、砂利などの粗骨材が表面にむき出しになっている部分のことを指しています。
このジャンカが発生してしまうと、以下のようなリスクが生じてきます。
- 隙間が生じることによる強度不足
コンクリートの骨材のまわりに大きな空洞ができるためそれだけで強度不足となる。また、手で触れただけでポロポロと落ちてくる場合も多く、それに伴いコンクリートとしての強度や耐久力もなくなってしまう。 - 鉄筋の腐食による強度不足
コンクリート表面から鉄筋までのかぶり厚(距離)が薄いのと、隙間をつたって水分が鉄筋に触れることによる鉄筋の腐食(サビ)が進む。腐食が進行することによりさらに表面にあるコンクリートを押し出して崩落させてしまい、強度不足が起こるという負の連鎖となる。
基礎コンクリートにおいては、最近の住宅ではひどいジャンカはあまり見られませんが、1990年前半までに建てられたお家では一定の割合でジャンカが発生しています。
基礎にジャンカ(豆板)が発生する原因について
コンクリートは粗骨材である砂利と水、セメントが混じりあったものです。この材料を混ぜてから、型枠に流し込んでいくのですが、材料の比重の関係から粗骨材(砂利)が一番重く、底のほうに沈みやすくなります。
そのため、バイブレーター(振動機)で撹拌をしっかり行わないとジャンカが発生してしまいます。
しかし、バイブレーターをかけてもジャンカが発生しやすい場所もあります。
鉄筋コンクリートの住宅では、高いところから打設する必要のある生コンがポンプ車のホースから離れた後で、材料の分離が生じやすくなってしまいます。
結果、ジャンカが出来やすい状態になってしまうのです。またコンクリートの回りにくい場所もジャンカが出来やすい場所となっているので、注意が必要になります。
ジャンカ(豆板)のレベルと補修方法(必要性)について
ジャンカにはレベルがあり、レベルに応じた補修方法をする必要があります。レベルはA~Eまであり、Eレベルに近いほど、ジャンカの状態がひどくなっています。
- Aレベル:コンクリートの表面に砂利が露出していない健全な状態のことを指しており、補修する必要はありません。
- Bレベル:コンクリート表面に砂利が露出していますが、表面の砂利を叩いたり、削ったりしても剥がれない状態です。補修方法としては、ポリマー、セメントペーストを塗布した後に、ポリマーセメントモルタルを充填することで補修します。
- Cレベル:砂利が露出して叩くと砂利が剥落するものがある状態です。不要部をはつり、無収縮モルタルを充填することで補修することができます。
- Dレベル:鉄筋が露出してバラバラと剥落することがある状態で、深刻度が高いことから、速やかに補修を行うことが大切です。コンクリートを打ち替えることで補修することができます。
- Eレベル:叩くと空洞ができる状態で、完全な施工不良です。
基礎コンクリート打設不良のジャンカを放置すると危険
基礎コンクリートの打設不良によって生じるジャンカは、状態が進行するほど、見た目が変化します。そのため、様子がおかしいと感じた時には、速やかに補修を実施することが大切です。
ジャンカを放置してしまうと、基礎コンクリートに劣化が進み、基礎コンクリート自体が崩れてしまう恐れがあります。
ジャンカの進行が遅いからといって、状態を放置していると、一気に状態が悪化する恐れもあるので、早めに対策を講じることが大切です。
基礎コンクリートの見た目からして、状態がおかしいことは判断することができるので、自分でジャンカと見極めることが難しい場合は、専門業者に相談して、適切な対応を行ってもらいましょう。
基礎にジャンカ(豆板)が発生している場合は専門業者に相談
コンクリート打設不良によって生じるジャンカは、放置すると見た目にも悪いだけでなく、倒壊してしまうリスクがあります。
徐々に空洞が出来てしまうと、住宅が危険な状態になるので、進行させないためにも早急に補修を行うことが大切です。
早めに補修対応を行うことで、最悪のケースを避けることができるので、予防のためにも無料点検を実施してもらい、今後の対応について聞いておくといいでしょう。
状態が進行してしまうと、コンクリートを打ち替える必要が出てくるので、補修で済ませられるように、早期発見を心がけてください。