床下の基礎コンクリートは45トンの重みに耐えている
一般的な木造住宅の場合、およそ45トンあると言われています。
そんな大きな負担がかかれば、お家の基礎も徐々にダメージが蓄積されていきます。
そんな時に現れる不具合はひび割れ(クラック)やジャンカ(豆板)やエフロ(白華現象)などがあります。
自宅の基礎コンクリートにひび割れを見つけた時に、大切な住宅を支える基礎にひび割れが入っていて大丈夫だろうか・・・と心配になるかと思います。
基礎コンクリートで気をつけなければいけない「ひび割れ、ジャンカ、エフロ」の説明とその原因・対策について詳しく説明します。
基礎コンクリートの不具合であるひび割れ
基礎コンクリートのひび割れが起こる要因とは?
基礎コンクリートのひび割れとは、基礎コンクリートに気温の変化や乾燥など自然環境の影響によるものや、地震で突発的に起こるものまで、様々な要因で起こります。
<ひび割れの起こる原因>
- 気温の変化
- 基礎コンクリート打設後の乾燥、収縮
- コンクリートの中性化による経年劣化
- 地盤の沈下
- 地震など外部からの衝撃
- 施工的要因 ・・・など多岐にわたります。
基礎コンクリートの細いひび割れ(ヘアークラック)
ヘアークラックとは、文字通り、髪の毛くらいの細さのひび割れのことです。
国土交通省から出ている既存住宅インスペクション(住宅診断)・ガイドラインでは幅0.3mm以下、もしくは深さ4mm以下のクラックのことを「ヘアークラック」と定めています。
先ほど、ひび割れの原因に乾燥を挙げましたが、コンクリートは建物が完成した後も2年くらいかけて水分が抜け続けるので、その過程で小さなヒビが入ってしまいます。
そのため、新築の家の基礎にもしばしば見られ、多くの場合、家自体の強度に害は及ぼしません。
また、最初はヘアークラックだったものが、次第にひび割れが大きくなり、後述する「構造クラック」に発展する場合もあります。
ひび割れの大きさに変化はないか、定期的に観察していくことが重要です。
床下基礎の構造クラック
既存住宅インスペクション(住宅診断)・ガイドラインでは「幅0.5mm以上、もしくは深さ20mm以上」のひび割れことを構造クラックと定めています。
なかには家の外壁から基礎までひび割れが貫通してしまっているケースも見られます。
ヘアークラックの原因がコンクリートの乾燥であるのに対し、構造クラックの場合は重大な瑕疵となる場合があります。
特に、基礎の上から下まで縦断するように走っているクラックを貫通クラックと呼び、このような状態になると住宅を支える基礎の役割を果たせなくなります。
貫通クラックを見つけた場合は、早急に基礎補強業者に相談したほがいい「SOSサイン」です。
基礎コンクリートのひび割れのチェック方法
家の外からの目視・計測
基礎のひび割れを確認する方法としては目視が基本となります。
丁寧に基礎を観察し、目で見て分かる症状を探します。
ひび割れを発見したら、クラックスケールと呼ばれる定規で長さを測ったり、ピアノ線で深さを測ったりします。
構造クラックの目安となる幅0.5mmは厚めの紙とほぼ同じくらいなので、簡易的に名刺を通して深さを測ることもあります。
ひび割れがモルタル(コンクリートの表層部分)に留まっているのか、コンクリートの内部にまで達しているのか、確認します。
また、構造クラックが疑われる場合、コンクリートテストハンマーと呼ばれるハンマーで、コンクリート強度検査が行われることもあります。
床下からの目視・計測
床下からも、家の外から検査する時と同じく、目視が基本となります。
家の外から検査する場合は、基礎コンクリートの表面には化粧モルタルが塗られていて、きれいになっています。実際の基礎の状態を確認するには床下からの検査を行ったほうが、正確な状況把握が可能となります。
アストロホームでは床下とお家の外側の両方で検査を行っています。今後安心して住める状態かの状況把握が一番大切です。
床下基礎の不具合であるジャンカ・エフロ
床下基礎の不具合であるジャンカとは?
ジャンカは豆板とも呼ばれ、コンクリートの打設(型枠に流し込むこと)不良の一種です。
コンクリートは、骨材としての砕石にセメントのペーストを混ぜることで結合させているのですが、この攪拌が不足しているとジャンカが発生します。
画像からも分かるように、表面がざらつき、ひどいケースでは内部の鉄筋が露出してしまうこともあります。
ジャンカを放置すると、コンクリートの中性化が進みやすく、鉄筋の腐食(錆びつき)につながります。
そうなった場合は、ジャンカの発生したコンクリートは耐久性がおよそ半分程度にまで落ちてしまいます。
床下基礎の不具合であるジャンカの発生を予防するには?
- コンクリートを打設する時に、落下高を高くしすぎず、分離が発生しづらい環境にすること。
- 施工の精度が求められる開口部など、打設をおこないにくい箇所については、念入りに締め固めをすること。
- 型枠の隙間を少なくするなどし、型枠からコンクリートが漏れることを防ぐことで、セメントと骨材が分離しづらくなるようにすること。
ジャンカを放置すると、地震などの衝撃で基礎が破壊されやすくなります。
以上の防止策をきちんと守るようにしましょう。
床下基礎の不具合であるエフロって何?
エフロとは、白華現象とも呼ばれ、モルタル中の水酸化カルシウムが床下基礎の中に侵入した雨水などに溶け、クラックから滲み出し、空気中の炭酸ガスに反応して、炭酸カルシウムになったものです。
水酸化カルシウムは気温が低い方が水に溶けやすいことから、エフロの発生には気温が密接に関係しており、秋から冬にかけて発生しやすくなっています。
目に見える形で白く変色するので、クレームが入りやすい不具合です。
床下の基礎は早めの対応が肝心!
冒頭でご紹介したとおり、家の重さはおよそ45tです。
床下の基礎は、その重量を毎日支え続けています。
もちろん重量以外にも、湿気など、さまざまな外的要因によって床下基礎はダメージを受け続けています。
これを機会に、定期的に床下の点検をおこなうことをおすすめします。