床下のひび割れや劣化は寿命?耐震・基礎補強工事について

建築基準法の38条にこのような条文があります。

「建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない」

簡単に言い換えると「床下の基礎は、建物の重さや外から加わる力を安全に伝え、地盤の沈下や変形に耐えられるようにしておくべし」といったところでしょうか。

早い話、基礎がクラック(ひび割れ)だらけだったら、家の重みに耐えきれず、些細な衝撃で倒壊してしまいますよね。そうならないようきちんと施工しましょう、という条文だと捉えてもらって構いません。

ちなみに同じく建築基準法では基礎は鉄筋コンクリートでなくてはならないと定められています。皆さんの安全を下から支えている床下の基礎。床下基礎は外部の衝撃からあなたの家を守ってくれます。

そんな大切なお家の基礎部分を補修・補強するのが基礎補強工事です。

基礎補強専門家が教える 基礎コンクリートの「3つの事実」

その1.基礎コンクリートの寿命は約30〜40年


基礎コンクリートの寿命は一般的には約30~40と言われています。

しかし、お家の周りの環境や状態次第ではさらに劣化が早い場合もあります。

基礎のひび割れを放置していると、少しずつひび割れが広がっていき、外壁にひび割れが伝わったり、建物が傾いたりする恐れがあります。

また、地震などでの倒壊の危険性も上がります。

放置し続けることによって、家の寿命を縮めてしまう恐れがあるのです。

その2.古い住宅には鉄筋が入っていないお家も

基礎コンクリートには大きく分けて、「布基礎」「ベタ基礎」「杭基礎」と3種類あります。

その中で、皆さんに馴染みのある基礎コンクリートは「布基礎」「ベタ基礎」になると思います。

実際にご自分のお家がどっちかわからない方は、床下の点検口を覗いてみて下さい。床下が土であるならば「布基礎」床下がコンクリートであるならば「ベタ基礎」という認識で大丈夫です。

特に注意が必要になるのは1981年以前に建てられた家です。

1981年以前に建てられたお家では、基礎コンクリートに鉄筋を入れることが義務付けられていなかったため、基礎の強度が現行基準より大幅に不足している可能性があります。

また、布基礎と言われ、建物の重みを点で支える部分により強度が求められるため、古いお家は注意が必要です。

その3.基礎コンクリートは水分や炭酸ガスに弱い

コンクリートは水分に弱い

水分はコンクリートの天敵です。

コンクリートは水を通さないと思われがちですが、顕微鏡で拡大すると、無数の小さな穴が開いていて、水分を非常に吸収しやすい素材です。

水を通しやすいコンクリートにひび割れやジャンカ現象(豆板)があると、そこからより水が入りやすくなる悪循環となってしまいます。

基礎コンクリートのひび割れ

基礎コンクリートのひび割れ(クラック)

基礎コンクリートのジャンカ

基礎コンクリートの豆板(ジャンカ)

カビやシロアリの発生の可能性がでてくることもありますが、一番気を付けないとならないのはコンクリート内部から破裂が起こる『爆裂現象』です。

基礎コンクリートの爆裂現象

基礎コンクリートの爆裂現象

爆裂現象まで至ると大変危険なので、大掛かりな工事になることが多く、修繕に多額の費用を要します。

爆裂現象が起こる前に、補強・補修などの対策が必要となります。


コンクリートは炭酸ガスに弱い

空気や雨水に含まれる炭酸ガス(CO2)によって化学変化が起こり、コンクリートは徐々にアルカリ性を失い中性化されます。

コンクリート自体は中性化しても強度は変わりませんが、鉄筋が錆びるのを防ぐことができなくなります。爆裂現象が起きる可能性もあるため、中性化が起きているコンクリートは注意が必要です。

基礎補強の必要性について

地震による揺れや土地の沈下などの外部からの力によって建物が動いたためひび割れが発生する場合や、時間の経過や環境による場合など、基礎コンクリートのひび割れが発生する原因は様々あります。

強くて固そうにみえるコンクリートでも上でお話した「3つの事実」から劣化・弱体化が進んでいきます。

それを解決するのが基礎補強です。

コンクリートが劣化する原因を防ぎ、約30年~40年と言われているコンクリートの寿命を半永久的に延ばすことで、今後の余計な出費を減らして地震への不安を無くします。

特に注意して頂きたい事が一つ!

基礎コンクリートは、内部基礎の状態を確認して初めて安全だと言えます。

そして、内部の基礎コンクリートの状態が一番大切であるという事を覚えておいてください。

基礎補強の工法、徹底比較!

基礎補強工事には、状況に応じて様々な施工方法があります。

特に、近年では地震などによる地盤沈下や液状化などが原因となり、建物全体が傾いてしまい、基礎がひび割れてしまう現象が多く発生しています。

このような大規模な事象が原因となった以外にも、住宅の重みやコンクリートの経年劣化により、引き起こされたりと、様々な要因が考えられますので、お家の状況をしっかりと専門家に確認してから最適な施工を行いましょう。

打ち直し工事

  • 施工期間_1ヶ月〜2ヶ月
  • 費用_約750万円

施工概要

基礎打ち直し工事とは、床下基礎のコンクリートを総入れ替えしてしまう工事のことです。

メリットとしては、入れ替えることで基礎が新品同様に甦ることが挙げられます。

また、建物をジャッキで持ち上げて施工するので、家に住み続けたまま工事してもらうことができます。

増し打ち工事

  • 施工期間_1ヶ月
  • 費用_約200万円

施工概要

基礎に鉄筋が入っていないコンクリート基礎に対して行う補強工事です。

建物の外側や内側に鉄筋入りのコンクリートを増し打ちすることで、建物との一体性を高め、地震の際の耐震性能を向上することができます。

多くのひび割れが発生している場合、破損箇所ごとの補修より施工期間が必要になりますが、基礎全体に対して補強することで、建物の耐震性能を大幅に改善できます。

クラック補修

    • 施工期間_1日〜2日
    • 費用_約3万円~

    施工概要

    ひび割れた部分に、専用の液剤を注入することで、面で打ち隙間なく埋める施工です。

    注入した液剤は、硬化し基礎と一体化することで、補強が完成します。

    工期が短く費用も抑えられますが、ひび割れの原因によっては再び発生する可能性があります。

    アストロホーム自信のバリア工法(アストロハイブリット)

    • 施工期間_1日〜2日
    • 費用_約3万円~

    施工概要

    当社のご提供する『アストロハイブリット工法』は、高速道路のトンネルや橋脚など、国の公共事業でも採用されている安心の工法です。

    樹脂と強化繊維という異なる素材を複合的に用いて、基礎コンクリートを補強します。

    アストロハイブリット工法で使用する樹脂と強化繊維は大変相性がよく、樹脂が本来持っている粘着力に、鉄の数倍の引っ張り強度を持っている強化繊維を併用することで、互いに連携し相乗効果を発揮します。

    また、強化繊維は宇宙事業や戦車などにも使われているアラミド強化繊維を使用し、樹脂の中でトップクラスの粘着力を誇るエポキシ樹脂と併せて何層にも塗布・張り付けをして、大切なお住まいを基礎から守ります。

    施工期間・施工金額・耐久性において一番オススメなのが、国の公共工事で採用されているアストロハイブリット工法です。

    新型コロナ対策としてマスクなど細心の注意を払ってお伺いいたします。
    toiawase