住宅の耐震性に大きな影響を与えることで知られているシロアリ。

シロアリを調べる上で、知っておくべきなのは羽アリの存在です。

ここではシロアリと羽アリの違いなどについて解説していきたいと思います。

 

シロアリが2階の窓から飛来?羽アリとの違いは何?

住宅の基盤ともなる木材を食べ、耐震性に大きな影響を与えることで知られているシロアリですが、その生態についてはあまり知られておりません。

シロアリの生態を知ることで、住宅がシロアリ被害に遭い辛くなったり、被害に早期発見することが出来ることがあります。

 

シロアリを調べていく上で知っておくのが羽アリです。

羽アリとはその名の通り、羽があるアリです。

またシロアリ、クロアリは成長過程で羽をつけたり、羽を落としたりを繰り返します。

その為、シロアリの羽アリがいたり、クロアリの羽アリがいるということです。

 

ここでわかり辛いのはシロアリもクロアリも羽アリになるということです。

羽アリを見つけた際、羽アリがシロアリなのかクロアリなのかを判断する必要があります。

 

見分ける方法としてまずは発生時期です。

日本に生息するシロアリで住宅に被害を及ぼすのは、ヤマトシロアリとイエシロアリの2種類が大半を占めています。

ヤマトシロアリは4~5月、イエシロアリは6~7月にかけて羽を生やすという生態があります。

対して、クロアリは6~11月に羽を生やすという生態があります。

 

次に見た目で判断するという方法です。

シロアリはその名前から身体が白いと思われがちですが、実際にはシロアリも身体は黒色です。

その為、見た目で見分けるには特徴を知っておく必要があります。

 

シロアリは身体全体が寸胴型をしているのに対し、クロアリはお腹にくびれがある体系をしています。

さらに見分け易くなるのが、羽アリになったときです。

羽アリはシロアリ、クロアリ共に前後2枚ずつで計4枚の羽を生やします。

シロアリの羽は、前後の羽が同じ大きさをしているのに対し、クロアリの羽は前が大きく後ろが小さいという特徴があります。

 

また羽アリは飛来することができます。

その為、窓を開けっぱなしにしておくと飛来して住宅内に侵入してくるという恐れもあります。

 

被害はどこに起きる?確認方法を解説!

シロアリは木材をエサとして食べます。

住宅の床下がシロアリの被害に遭うというイメージが強いかもしれませんが、実際には壁内や天井裏など、木材があるところは全て被害に遭う可能性はあります。

しかし実際には床下が被害に遭う可能性が最も高いです。

それはシロアリがもつ生態に影響があります。

 

シロアリは木材を食べるということ以外に、「気温の高いところを好む・湿度が高いところを好む・風通しが悪いところを好む・光を嫌う」という性質があります。

その為、それらの条件を満たしている住宅の床下は最も被害に遭い易いということです。

 

このようにシロアリは人目につかないところで活動を行います。

その為、自らの住宅にシロアリが住み着いていないか、シロアリの被害に遭っている最中でないかというのに気付くことが非常に困難です。

多くの場合は、ある日突然床が抜けてしまったり、室内ドアの開封がスムーズに行えなくなったりと、実害が出ることでシロアリの被害に気が付きます。

実害が出るほどの被害に遭ってしまった場合は、被害部の補修や補強などに多額のお金が掛かってしまうことがあります。

 

その為、自らの住宅にシロアリが住み着こうとしていないか、シロアリの被害に遭っていないかを確認する必要があります。

 

シロアリの存在に気が付く方法はいくつかあります。

まずはシロアリの羽アリを発見した場合。

シロアリの羽アリは羽を落とし易いため、庭先や室内に羽だけが落ちていることがあります。

その場合は近辺にシロアリが通った形跡となる為、シロアリが住み着こうとしている可能性が非常に高いです。

 

次に、蟻道(ぎどう)を発見した場合。

蟻道とは蟻が通った道です。

シロアリは光を嫌う為、地上を移動する際には、蟻道というトンネルを作り、その中を移動します。

その為、蟻道がある場合は、シロアリが通過したという証拠になります。

蟻道は基礎や木材などに沿うように形成されることが多いです。

基礎コンクリートに蟻道が出来ていたりすると、そこから床下へ侵入した可能性が非常に高いです。

 

次に床下の点検を行うという方法です。

これは最も確実な方法です。

専門業者に依頼し、床下に潜り調査を行うことで、シロアリが住み着いていないか、シロアリの被害に遭っていないかを直接的に確認することが出来ます。

 

シロアリ被害は地中からの可能性が高い!

そもそもシロアリはどうやって住宅内に侵入するのでしょうか。

住宅の床下は基礎コンクリートに囲われております。

その為、シロアリは基礎コンクリートを抜けて侵入すると思われがちですが、基礎コンクリートを抜けて侵入することは殆どありません。

 

シロアリが住宅の床下に侵入する経路として最も利用するのは地中です。

庭先などから地中に潜り、エサとなる木材(エサ)が無いかを探しながら移動を行います。

そして住宅の床下にたどり着き、木材がある床下で地上に上がってくるという流れです。

その為。シロアリは人目につくことが殆ど無く、住宅の床下に侵入してしまいます。

 

では床下をコンクリートで覆うように施工をするベタ基礎ではシロアリ被害に遭うことは無いのでしょうか?

それは間違いで、ベタ基礎でもシロアリの被害に遭うことは十分にあります。

 

ベタ基礎の場合、シロアリはコンクリートの隙間を利用して侵入することが多いです。

布基礎やベタ基礎などのコンクリートは、液体の状態で型枠に流し込み、乾燥することで強度を持たせるという工法で作られております。

コンクリートは1年以上の時間を掛けてゆっくりと乾燥を行います。

さらにコンクリートは乾燥と共に伸縮するという性質があります。

その為、乾燥していく段階で若干の縮みが発生し、土壌との間に極僅かな隙間が生じてしまいます。

その隙間をシロアリが通ることで、ベタ基礎でも床下に侵入することが出来ます。

 

そういった隙間だけではありません。

コンクリートは乾燥での伸縮だけでなく、気温や湿度の変化でも伸縮を繰り返します。

その際、伸縮に耐え切れず自然にクラックが入ってしまいます。

シロアリはそのようなクラックも侵入経路として利用します。

 

また、住宅は床下が換気できるように、基礎には必ず通気口が存在します。

そういった通気口や、水道配管などからも侵入します。

その為、どんな住宅でもシロアリが侵入してくる可能性があるということです。

 

まとめ

シロアリは羽アリの存在や、シロアリの生態を知ることで被害の早期発見に繋がることがあります。

大切な住宅をシロアリ被害から守る為にも、しっかりと知識をつけて対策を行ってください。

おすすめの記事はこちら