住宅の耐震性に非常に大きな影響を与えることで知られるシロアリ。
シロアリの最大の恐ろしさは、住宅の基盤ともなる木材を食べるということではなく、人目につかないところで活動をするという習性です。
ではシロアリの被害に気付く為にはどうすればよいのでしょうか。
シロアリの習性などと合わせて解説致します。
シロアリの蟻道とは?
蟻道(ぎどう)という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
蟻道とは、読んで字の如く、蟻が通った道です。
といっても、足跡のようなものではありません。
まずシロアリには特徴的な習性があります。
それは外気や光を嫌うということです。
その為、シロアリは地上を移動することは殆どありません。
シロアリは地中を掘りながら移動をし、地上にエサ(木材)があるのを見つけると地上に出てきてエサを食べます。
その際、地上に出てからエサにたどり着くまで、外気や光を浴びないように筒状のトンネルを作る習性があります。
そのトンネルこそが蟻道です。
蟻道は蟻土(ぎど)から作られます。
蟻土とは土壌や木材カスにシロアリの排泄物や分泌物を混ぜることで作られるセメント状の物体です。
その蟻土を基礎コンクリートや木材に這わせるように固めていきます。
蟻道は人間にでも目視が出来るような大きさの為、一目で蟻道だと判断することが出来ます。
蟻道は移動の際に外気や光に触れるのを防ぐ為だけでなく、エサを巣に持ち帰る際に外敵に教われないようにする為にも使用されます。
その為、蟻道があるということは「シロアリが活動している」、「シロアリが活動しようとしている」、「シロアリが活動した後」という証拠にもなります。
また蟻道は床下に作られるだけでなく、基礎コンクリートの外周などにも作られます。
注意深く見ておくことで、シロアリの被害に遭う前に発見することが出来るかもしれません。
侵入経路は一体どこから?
そもそもシロアリはどうやって住宅内に侵入するのでしょうか。
住宅の床下は基礎コンクリートに囲われております。
その為、シロアリは基礎コンクリートを抜けて侵入すると思われがちですが、基礎コンクリートを抜けて侵入することは殆どありません。
シロアリが住宅の床下に侵入する経路として最も利用するのは地中です。
シロアリは外気や光を嫌う習性があります。
その為、庭先などから地中に潜り、エサとなる木材(エサ)が無いかを探しながら移動を行います。
そして住宅の床下にたどり着き、木材がある床下で地上に上がってくるという流れです。
その為。シロアリは人目につくことが殆ど無く、住宅の床下に侵入してしまいます。
では床下をコンクリートで覆うように施工をするベタ基礎ではシロアリ被害に遭うことは無いのでしょうか?
それは間違いで、ベタ基礎でもシロアリの被害に遭うことは十分にあります。
ベタ基礎の場合、シロアリはコンクリートの隙間を利用して侵入することが多いです。
布基礎やベタ基礎などのコンクリートは、液体の状態で型枠に流し込み、乾燥することで強度を持たせるという工法で作られております。
コンクリートは1年以上の時間を掛けてゆっくりと乾燥を行います。
さらにコンクリートは乾燥と共に伸縮するという性質があります。
その為、乾燥していく段階で若干の縮みが発生し、土壌との間に極僅かな隙間が生じてしまいます。
その隙間をシロアリが通ることで、ベタ基礎でも床下に侵入することが出来ます。
そういった隙間だけではありません。
コンクリートは乾燥での伸縮だけでなく、気温や湿度の変化でも伸縮を繰り返します。
その際、伸縮に耐え切れず自然にクラックが入ってしまいます。
シロアリはそのようなクラックも侵入経路として利用します。
また、住宅は床下が換気できるように、基礎には必ず通気口が存在します。
そういった通気口や、水道配管などからも侵入します。
その為、どんな住宅でもシロアリが侵入してくる可能性があるということです。
蟻道がある場合の注意点について
では蟻道を発見してしまった場合、どのようなことに注意をすれば良いのでしょうか。
蟻道があるということは少なくともシロアリが通ったことがあるという証拠です。
その為、まず行うことはシロアリの被害に遭っている最中ではないかという確認です。
シロアリの被害に遭っていないかの確認をするには、専門業者に点検を依頼するという方法が最も確実です。
実際に床下に潜り、木材が食べられていないか、シロアリが住み着こうとしていないかの確認を行ってくれます。
万が一、シロアリの被害に遭っている最中であれば、早急に駆除を行う必要がありますし、まだ被害に遭う前であれば、被害に遭わないように予防対策を行う必要があります。
シロアリの被害に遭わない為の予防対策はいくつかあります。
まずは予防消毒を行うという方法です。
床下の土壌・基礎コンクリート・土台などの木材に専用の消毒液剤を散布・注入することでシロアリが寄り付かないようにすることが出来ます。
専門業者に依頼をして、専用機材で作業を行う為、やや費用が掛かってしまいますが、最も確実な方法になります。
次にシロアリが住み着きづらい環境を作るという方法です。
シロアリは外気や光を嫌うという習性以外に、暖かく湿度が高いところを好みます。
外気や光が当たり辛く、高温多湿な場所が住宅の床下ということです。
対策方法としては、床下に換気扇をつけるという方法がお勧めです。
床下換気扇をつけることで、強制的な換気を行うことができ、温度や湿度の向上を抑えることが出来ます。
そうすることでシロアリが好む環境を撤廃することが出来ます。
最後にシロアリの侵入経路をなるべく塞ぐという方法です。
シロアリはコンクリートに自然に出来たクラックからも侵入してきます。
その為、クラックを補修する事無く放っておくと、シロアリの侵入経路を増やすということになります。
クラックの補修はシロアリの侵入経路の遮断だけでなく、基礎コンクリートの強度回復にもなる為、必ず補修を行ってください。
まとめ
蟻道を知ることで、シロアリの存在に気が付くことはよくあります。
住宅の床下が知らず知らずのうちにシロアリに侵食され、気が付いたころには床が抜けて住宅が傾くといった事態にならないよう、蟻道を見つけた際には早急に適切な対応を取ることをお勧め致します。