木材を食べることで住宅の耐久性を蝕むことで知られるシロアリ。

大切な住宅をシロアリから守るにはシロアリ対策は必須事項です。

シロアリ対策には様々な薬剤や工法が用いられることがあります。

ここでは殺虫剤などにも使用される薫煙について解説したいと思います。

 

シロアリは燻煙で退治できる?

住宅を健康に長持ちさせる為には必須となっているシロアリ対策。

シロアリ対策には一般的にシロアリ専用の薬剤が使用されます。

専用薬剤には主に「ニオネコチノイド」「ピレスロイド」「フェニルピロール」「フェニルピラゾール」「カーバメート」「ホウ素化合物」「ヒノキチオール」といった成分が使用されます。

これらの成分はシロアリだけでなく、様々な昆虫の殺虫剤にも使用されることがあります。

しかしこれらの成分は少なからず人体に有害な影響を与えることがありますので使用の際には注意が必要です。

 

シロアリ対策には専用薬剤散布以外にも、様々な工法が用いられることがあります。

そこでよく目にする方法が「燻煙」を用いた方法です。

そもそも「燻煙」がシロアリに対して効果があるのか、「燻煙」を用いた場合のデメリットはあるのか、人体に影響などは無いのかなど、把握している方は少ないと思います。

ここでは「燻煙」を用いた場合の注意点も踏まえ解説していきたいと思います。

しっかりと知識を得た上で使用するかのご検討をお願い致します。

 

「燻煙」はゴキブリなどの害虫に対する殺虫剤に多く使用される成分です。

ではシロアリに「燻煙」は全く効果がないのでしょうか。

実は「燻煙」はシロアリに対しても多少の効果が期待できます。

 

シロアリは分類上ではゴキブリと同類になります。

その為、ゴキブリに効く成分はシロアリにも効くということです。

 

燻煙を用いた殺虫剤の特徴は、「目に見える害虫に対して効果を発揮する」という点です。

燻煙とは文字通り煙を使用した薬剤です。

害虫に直接散布することで効果を発揮します。

その為、シロアリに対しても、目に見えて活動をしているシロアリに対しては効果が発揮できるといえます。

 

シロアリは生態の特徴から主に人目につかないところで活動を行います。

シロアリは「光が当たらない、湿度が高い、風通しが悪い」という場所を好みます。

その為、住宅の床下、壁裏、天井裏に住み着くことが殆どです。

 

燻煙は瞬発的な効果は期待できますが、長時間の効果が期待できません。

その為、床下などに散布をしても直ぐに効力を失ってしまう恐れがあります。

また煙は土壌や木材に浸透することも無い為、土の中や木の中にまで入り込んでいるシロアリには効力が発揮できません。

以上の事から「燻煙」はシロアリ対策に使用するにはあまり現実的ではないでしょう。

 

一般的なシロアリ対策の特徴は消毒剤の成分だけではなく、その工法にあります。

それは薬剤を散布するだけでなく、施工部に注入するという点です。

専門業者に依頼をし施工を行う場合、床下前面に潜り施工を行います。

そしてシロアリが巣を作る土壌に薬剤を散布するだけでなく、エサとなる木材の内部に専用機材を差込み、薬剤を注入します。

またシロアリの侵入経路となる基礎コンクリートにも薬剤を散布します。

そしてシロアリの巣を見つけ、巣の中まで薬剤を散布することで駆除を行います。

 

シロアリは数匹で活動することはなく、数万匹から数十万匹で住み着きます。

目に見えるシロアリだけでなく、巣に居るシロアリごと駆除を行わないと万全の対策とは言えないでしょう。

 

妊婦や子供、ペットなど人体への影響は?

燻煙を用いるシロアリ対策はデメリットだけではありません。

メリットとして「人体に及ぼす影響が少ない」という点があります。

 

一般的にシロアリ対策に使用される専用薬剤に含まれる「ニオネコチノイド」「ピレスロイド」「フェニルピロール」「フェニルピラゾール」「カーバメート」「ホウ素化合物」「ヒノキチオール」という成分は少なからず人体に影響があります。

 

しかし燻煙は安全性が高い為、比較的安心して使用することが出来ます。

とはいえ子供や妊婦といった免疫が低い場合や、ペットなどは影響を受けてしまう恐れがある為注意が必要です。

施工中に室内はしっかりと換気を行うだけでなく、可能であれば施工場所から離れるといった対策をとれば問題無いでしょう。

 

自分で(DIY)行う方法を紹介

燻煙のメリットとしては「低価格」で手に入るという点と、「自分(DIY)で施工できるという点があります。

 

燻煙剤に火を付け、発生した煙を床下に流し込むという非常に簡単な方法です。

施工を行う場合、まずは床下通気口を塞いで下さい。

住宅の基礎コンクリートには床下が自然に換気できるよう、必ず複数個の通気口があります。

その通気口を塞いでおかないと、流し込んだ燻煙が逃げてしまいます。

 

次に室内と床下の隙間を塞いでください。

床下と室内は繋がっている箇所があります。

例えば床下収納や床下点検口です。

しっかりと塞いで室内に燻煙が逃げないように注意してください。

 

次に施工は長時間行ってください。

燻煙は簡単に施工できますが、長時間効果を発揮することが出来ません。

その為、燻煙剤を設置したら2~3時間ほど施工を行ってください。

 

最後に換気はしっかりと行ってください。

燻煙の施工箇所は効果を発揮させる為に換気をしてはいけませんが、室内はしっかりと換気を行ってください。

 

燻煙剤を用いたDIYは非常に簡単なのでお勧めです。

 

シロアリ駆除を燻煙で行う場合の注意点は?

燻煙を用いて施工を行う場合は、換気以外にも注意しておくことがあります。

まずは火災報知機についてです。

火災報知機は煙に反応して作動する仕組みになっております。

誤って警報が作動する恐れがありますので、電源を落とすかカバーをかけるなどの対策を事前に行ってください。

 

次に動植物の非難です。

煙はペットや植物などに影響を与えます。

健康被害を与えない為にもなるべく非難をしてから施工を行ってください。

 

次に貴金属類の保護です。

金属類に煙が付着することで変色や剥がれなどの原因になります。

カバーを行うなどの保護を事前に行ってください。

 

まとめ

燻煙を用いたシロアリ対策にはメリットもデメリットもあります。

しっかりと把握した上で、燻煙を使用するかの判断を行ってください。

不安な場合は施工前に専門業者へ依頼をして相談をしてみるのもお勧めです。

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