アスベスト(石綿)は肺がんの発症を招くリスクがある!?

アスベストは別名「石綿」とも呼ばれ、天然に産出する繊維状ケイ酸塩鉱物の総称です。

そんなアスベストを有した住宅だと、肺がんなどの疾患を発症するリスクがあるので、中古住宅の購入を検討している人はアスベストについて理解しておく必要があります。

アスベスト最大の危険性は「疾患のリスク」

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アスベストの危険性は、アスベストを吸引することにより疾患を引き起こすリスクがあることです。

具体的には肺がんや石綿肺といった病気です。

また、アスベストによる疾患の多くは、すぐ発症せずに長期間潜伏するという特徴があります。

石綿肺の疾患が発症するまで数年から20年ほど、肺がんでは20年から30年以上もの潜伏期間を経るといわれているほどです。

アスベストは自然界に存在する「繊維状の物質」なので、空気中に飛散しやすい素材になります。

飛散したアスベストを吸引してしまうことで人体が影響を大きくなる傾向にあります。

家に住んでいるだけでこれらの疾患リスクを大きく高めてしまうので、注意が必要なのです。

アスベストが使用されている身近な物にも使用されている

アスベスト

先述のとおり、アスベストとは「鉱物なのに繊維状」の物質です。

そして、このアスベストは繊維状でありながら高い耐火性能と耐久性を兼ね備えており、かつては建築部材として重宝されていました。

建築部材以外にも電気製品の材料としても利用されていたため、家や普段使っている物の中にもアスベストが飛散する恐れのある物質があったということです。

経済産業省の2005年の調査では、2005年の時点で家庭用製品のうち562製品でアスベストが使用されていたと報告されています。

それ以降のデータは発見されませんでしたが、21世紀になっている2005年の時点でも、多くの製品にアスベストが利用されていたことがわかります。

アスベストが規制される前に建てられた家にお住まいの方は注意が必要

アスベストが肺がんなど、命に関わる疾患を引き起こす可能性があることはすでにお話ししたとおりです。

特に中古住宅を買う際はアスベストのリスクを考慮する必要があります。

先述のとおり、かつては建築部材として重宝されていたことがその理由です。

アスベストが日本で規制されたのは1988

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日本でアスベストの規制が開始されたのは1988年(昭和63年)ですので、1988年以前の中古住宅の建材にはアスベストが含まれている可能性があります。

また、アスベストの輸入は1993年(平成5年)に禁止され、アスベストの製造や供給・使用のすべて禁止されたのが1995年(平成7年)です。

言い換えると、これ以前の製品にはアスベストが含まれている可能性が少なからずあるということです。

アスベスト規制に際して住宅には調査報告義務ができた

住宅に限定すると、まず2006年(平成18年)に宅建業法施行規則の改正が行われました。

この改正によってアスベストの調査をしたかどうかを売主が買主に報告することが義務付けられました。

ただし、これはあくまで調査したかの報告義務であり、アスベストを除去したという報告ではありません。

つまり、「調査報告なし」であれば調査していないのでアスベストのリスクがある家ということです。

アスベストが住宅の中で使用されている箇所

中古住宅を買うときは、アスベストが家の中で使用されている箇所をあらかじめ知っておいた方がいいでしょう。

アスベストを含む建材は、住宅では以下の箇所に使用されます。

  • 鉄骨の耐火材
  • エレベーターなどの吸音・断熱材
  • 屋根裏や内壁などの結露防止材
  • 鉄骨の柱
  • 梁などの耐火
  • 天井等の吸音・断熱材

このように、アスベストを普段目に見えにくい箇所に使用されており、素人目にアスベストの有無を判断するのが難しいとわかります。

アスベストの調査方法とは?

アスベスト調査

ここまでアスベストの危険性や、中古住宅を買うときにはアスベストのリスクがあることを説明してきました。

次に、アスベストのリスクがある住宅を購入するときに知っておくべき、アスベストの調査方法を解説していきます。

アスベスト調査の依頼は専門家へ

アスベストの調査に必要なのは、設計図書(詳細な設計図)の確認と現地調査になります。

設計図書は売主もしくは施工主が保管しているはずなので、中古住宅の購入を検討しているなら仲介会社を通じてヒアリングしましょう。

しかし、設計図書だけでは判断できない場合があるので、その場合は現地調査することになります。

アスベスト調査の手順とは

アスベストの調査は建築設計事務所設備業者工務店調査会社などに連絡し、公的資格を与えられたアスベスト調査の専門家に依頼します。

そして、図面調査のあと、必要であれば現地調査するという流れです。

仮にアスベストが見つかれば、除去封じ込め囲い込みなど、アスベストの飛散を防ぐための対策がおこなわれます。

アスベストを除去して「安心」を手に入れる

アスベストが使用された中古住宅を購入すると、人命にかかわるリスクがあります。

どれだけ健康的な食生活を送っても、頑張ってタバコをやめても、アスベストが使用された家に住んでいたら元も子もありません。

中古住宅の購入を検討しており、築年数的にアスベストのリスクがあると思われる場合、速やかに専門家に相談することをおすすめします。

仮にアスベストが見つからなくても、今後「安心して暮らすことができる」というメリットにつながるのです。

ぜひアスベスト除去を依頼して「安心」を手に入れましょう。

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