シロアリ消毒や駆除の必要性は住宅を健康で長持ちさせる為には必須事項です。

しかし消毒や駆除を行うと薬剤の匂いで体調を崩してしまうという話もよく話題に上がります。

実際、シロアリ消毒の影響でそのような症状は発症してしまうのでしょうか。

また、似た症状のシックハウス症候群との関係についても解説致します。

 

シロアリ駆除予防の薬剤は匂いが強い?

住宅を健康で長持ちさせる為には必須となっているシロアリ対策。

シロアリ対策には専用の薬剤を散布するといった方法が一般的となっております。

一般的な殺虫剤と同様で、殺虫剤を使用した場合に気になるのは匂いや、それによって起こる健康被害です。

 

現代、使用されている専用薬剤は一昔前に比べるとかなり安全性が高くなってきております。

しかし完全に安全なものではありません。

 

実際にシロアリ対策に使用される薬剤は、一般的な殺虫剤同様で少なからず刺激臭があります。

またその薬剤の殆どが人体に影響を与える可能性があります。

 

では実際に人体にどのような影響があるのでしょうか。

よく発症するのが、薬剤が皮膚に触れることで起こるアレルギー反応です。

他にも薬剤を吸い込んでしまうことで発症する吐き気や目眩などです。

酷い場合は嘔吐、気管支や肺などへの影響を与える場合もあります。

 

特に症状が出易いのは、妊婦さんと子供です。

妊婦さんの身体は非常にデリケートな状態です。

一般的に成人だと症状が出辛いとされていますが、妊婦さんの場合だと少し触れたり吸い込んだりしてしまうことで症状が出てしまう恐れがあります。

また、、妊婦さんの身体だけではなくお腹の中にいる胎児にまで影響を与える恐れがあります。

シロアリ対策に使用される薬剤は「神経毒」な為、胎児の脳の発達に影響を与えたり、アレルギー反応を与える恐れがあります。

 

次に子供です。

子供はまだ免疫が低いということもあり、微量でも触れたり吸い込んでしまうことで身体や脳に影響を与える恐れがあります。

肌のかぶれ、かゆみ、赤み。脳の発達障害など大きなトラブルに繋がる恐れもあります。

 

また人間だけでなくペットに影響を与えることもあります。

特にペットの場合、薬が散布された木材を舐めてしまったりする恐れがあります。

嘔吐、倦怠感、呼吸器への違和感などの健康障害が発症することがあります。

また人間と違い、症状が表に出辛く発見が遅れてしまうという特徴もあります。

 

以上のようにシロアリ対策にしようする薬剤は様々な健康被害を引き起こす可能性があります。

しかし薬剤はあくまで床下や天井裏などに散布をするものです。

施工中に現場から離れるなど、しっかりと対策をしていれば十分安全に施工を行うことは可能です。

 

薬剤とシックハウス症候群との関係性について

シックハウス症候群とは、問題がある住宅においてみられる健康障害の総称です。

主な原因としては家具や建材に含まれる接着剤や塗料や防腐剤に使われる、ホルムアルデヒド、トルエンなどの化学物質が発する有害ガスです。

他にもカビやダニなどによるアレルギー性のシックハウス症候群もあります。

また、シックハウス症候群の典型的な症状としては、皮膚のかぶれや赤み、喉の痛み、全身の倦怠感があります。

これらの症状はシロアリ対策に使用する薬剤によって発症する健康被害と似ています。

 

シックハウス症候群を引き起こす主な原因は「ホルムアルデヒド」という有害物質です。

しかしシロアリ予防の薬剤には「ホルムアルデヒド」より強力な「クロルピリホス」という有害物質が使用されていた時代もありました。

昨今では健康被害防止の為、「クロルピリホス」の使用は廃止されたり、室内建材や家具も有害物質の少ない自然素材を推奨されております。

 

シロアリ対策にしようされる薬剤による健康被害、シックハウス症候群の対策として共通しているのは「換気」です。

平成15年には建築基準法が改正され、新築および大規模リフォームを行う際には室内24時間換気システムの設置が義務付けられました。

空気中の有害ガス濃度を下げることで健康被害防止に繋げる為です。

健康被害に遭わないよう、シロアリ対策の施工中、施工後にはしっかりとした換気を行うよう心がけて下さい。

 

自分でシロアリ駆除をする場合の安全な薬剤とは

薬剤をしようするには少なからず危険性が伴います。

中には薬剤を使用せず、より安全にシロアリ対策を行う方法があります。

それらをいくつか紹介したいと思います。

 

まずはベイト工法。

ベイト工法とは、シロアリ専用の毒餌を複数個所地中に設置することで、シロアリに食べさせ、駆除するという方法です。

自分(DIY)で簡単に行うことが出来る点や、薬剤散布と違って人体に影響がないということから人気な工法です。

しかし薬剤を散布する方法に対し、即効性や確実性が低いというデメリットもあります。

 

次に床下換気扇の設置。

シロアリが床下に住みつきやすいのは、油化したがシロアリにとって非常に住みやすい環境だからです。

シロアリは「湿気が高い、気温が高い、光が当たらない、風通しが悪い」という場所を好んで住み着きます。

その為、床下換気扇を設置し、強制的に換気をすることでシロアリが住み着きづらい環境を作ることが出来ます。

床下の基礎構造を理解し、電源を利用して設置をする必要がある為、自分(DIY)で行うのは難しいですが、安全性も高い工法です。

 

施工後に匂いが強い場合の対処法とは

薬剤を散布した場合、一般的には施工後数時間経てば薬剤の匂いは気にならない程度まで落ち着きます。

しかし薬剤の散布量が多かったり、床下の換気力が弱かったりすると長時間匂いが残ってしまうこともあります。

その場合、室内の換気をする事で匂いが気にならなくなったりする為、長時間匂いが気になる場合は室内の換気も怠らず行ってください。

 

まとめ

シロアリ対策は住宅を健康に長持ちさせる為には必須事項です。

しかし正しい知識を持たず、健康被害を引き起こしてしまっては元も子もありません。

どのような工法があるのか、どのように気をつけて施工を行えばよいのかなどしっかりと知識をつけた上でシロアリ対策に望んで下さい。

 

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