中古住宅に給水管の劣化は付きものなので補修が必須!
中古住宅を購入する場合、その住宅によっては給水管が劣化している場合があります。
もし劣化が激しければ人体に影響を及ぼすこともあるので、補修する前提での購入が望ましいでしょう。
今回は、そんな中古住宅の給水管について「給水管に問題があるかのチェック方法」「問題がある場合のリスク」「補修について知っておくべきこと」を解説していきます。
給水管に問題があるかどうかのチェック
まずは、給水管に問題があるかどうかを、築年数と給水管の素材という2つの観点からチェックしましょう。
給水管の耐用年数は、鉄管・鉛管であれば15~20年、塩化ビニール管でも一般的に30年ほどとされているので、ある程度築年数の経ったお宅に住んでいる方は注意が必要です。
ただ、築浅の住宅であっても、給水管の材質、メンテナンス状況などによっては給水管の劣化が激しい場合もあります。
引込管の材質から見る給水管劣化のリスク
水道の給水管(引込管)には以下の種類があります。
- 鉛管
- 鋳鉄管
- ステンレス鋼管
- 架橋ポリエチレン管
上記は一例であり、他にも種類は色々とあります。
この中では特に鉛管のリスクが大きく、これは公共団体も「鉛管は鉛が水道に溶け出すと人体に悪影響を及ぶす可能性がある」として、平成7年3月31日をもって全面的に使用を禁止しているほどです。
給水管の素材に関しては水道局で確認できるので、特に平成7年3月31日以前に建築されたお宅にお住いの方は必ずチェックしましょう。
給水管が劣化しているリスク
さて、仮に給水管が劣化している場合、先述した「鉛が溶け出して人体に悪影響を及ぼす」以外に以下のリスクがあります。
- 漏水による木材腐食
- 湿度上昇によるカビやシロアリの発生
- 基礎コンクリートの劣化
給水管の漏水による木材腐食のリスク
給水管が劣化していると漏水の恐れがあります。
漏水していると、室内にも影響が出ますし、目に見えない床下も水によるダメージを受けます。
後述する2点も、この「給水管の劣化による漏水」が原因で引き起こされるので、漏水は給水管が劣化するときの最も大きなリスクといえるでしょう。
給水管漏水による湿度上昇でカビやシロアリが発生するリスク
給水管から漏水することで、床下の湿度は上昇します。
ただでさえ湿気が溜まりやすい床下で、さらに漏水によって湿度が上がれば、そのような環境を好むカビやシロアリが発生しやすいです。
カビが発生すれば、室内に影響を及ぼすだけでなく、カビ菌が人体に悪影響を及ぼすこともあるのです。
また、シロアリが発生すれば木材は劣化していくので、最悪の場合基礎部分の崩壊につながります。
給水管漏水によって基礎コンクリートが劣化するリスク
また、漏水によって基礎コンクリート部分が劣化することもあります。
基礎コンクリート部分は、家と地盤を定着させる重要な部分です。
仮に基礎コンクリート部分が劣化すれば、耐震性も低くなりますし、床の軋みなどの影響も出てくるでしょう。
給水管のリスクが心配な場合は業者に依頼
上述した点で、築年数、もしくは給水管の素材的に給水管が劣化しているリスクがあれば、すぐに業者に相談することをおすすめします。
業者に相談しないまま中古住宅を購入し、結果的に多額の補修費用がかかれば「新築を買った方が良かった…」という事態になりかねません。
給水管の工事とは?
給水管の工事にも種類がありますが、架橋ポリエチレン管への変更が一般的な工事といえるでしょう。
架橋ポリエチレン管の寿命は半永久といわれています。
たとえば、鉄管(鋼管)、鉛管は寿命が15~20年といわれており、上述したように金属が溶け出すリスクもあります。
その点、架橋ポリエチレン管であれば寿命も長いですし、金属が溶け出すリスクもありません。
さらに、耐震・耐寒・耐熱性などに優れているので、施工後も長期間安全な水を家に供給してくれます。
給水管工事は床下からの配管がベスト
給水管を住戸に通すとき、多くの業者は家の外壁を沿って住戸に引き込みます。
しかし、外壁に沿って家に引き込むと以下のデメリットがあるのです。
- 壁や基礎に穴を空けることで耐力が下がる
- 凍結のリスクが高まる
- 外観(見栄え)が悪くなる
給水管を床下を通して家に引き込むことで、上記のデメリットはなくなります。
業者を選ぶ際には、前項の「給水管の素材」とともに、給水管の通し方も意識して選ぶと良いでしょう。
給水管の劣化は人体や家に悪影響を及ぼすので早めに業者さんに相談!
このように、給水管という目に見えない部分が劣化していると、人体や家へ悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、まずはご自宅の築年数や給水管の素材を考慮し、給水管工事の必要性の有無を検討しましょう。
給水管の劣化が心配であれば、まずは業者に相談することです。
補修費用を加味したうえで、中古住宅の購入を検討することをおすすめします。